さいとう内科医院

相模原市南区の内科,消化器内科,肝臓内科 さいとう内科医院

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逆流性食道炎

逆流性食道炎とは?

LES圧の低下による胃液の逆流

食道は口から入れた食物を、胃に送るための管で、通常一方通行です。
食道と胃の間は下部食道括約筋(LES)によって、通常は閉じられていますが、食物を飲み込んだ際に開いて、食物を胃に送り込みます。
胃では、酸性度の強い塩酸(胃酸とも呼ばれています)と消化酵素が含まれる胃液が分泌されて、食物の中に含まれるタンパク質を分解し、おかゆ程度の固さにすることで、小腸で吸収しやすい状態にします。

胃には酸から粘膜を守る防御機能が働いていますが、食道にはこの防御機能がありません。
何らかの原因でLES圧が低下し胃酸が食道に逆流すると、食道粘膜は強い酸である胃酸にさらされて炎症を起こします。
また、胃酸によって活性化されたタンパク質分解酵素が食道を傷つけます。
LES圧の低下の原因ははっきりしていませんが腹圧がかかる便秘傾向の方、重いものをもつ作業や、暴飲暴食など様々な原因が考えられています。

胃から食道への逆流が繰り返し起こると、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや呑酸などの不快な症状が起こります。
これが
「逆流性食道炎」です。


逆流性食道炎の粘膜損傷の分類
画像A/画像B

上記画像A,Bは当院で診断治療しました「逆流性食道炎」の症例です。

50代男性、胸やけと呑酸(酸っぱいものがこみ上げる)を訴え来院され胃内視鏡検査を行ったところ、下部食道に縦走するびらん症状(※画像A参照)を認めました。
更にカメラを進めると食道と胃の境界部に白苔(※画像B参照)と呼ばれる強い炎症症状を数か所に認めます。
これは胃酸の逆流により引き起こされた逆流食道炎の典型的な症状です。
逆流性食道炎は、その症状の程度から大きくA~Dのグレードで表します上記図1参照
この症例は、炎症が全周性ではないものの、横のつながりを認めますのでグレードCと診断されます。


画像C

診断後、PPI(※)を2週間服用し約2か月後に行った胃内視鏡画像です。
治療前に認められた縦走びらんや白苔は完全に消失し正常な食道粘膜となり、前回来院時に訴えられていた胸焼け、呑酸の症状も改善されました。

※PPIとは逆流性食道炎の治療薬です。
PPIは胃の壁細胞に存在する、胃酸を分泌するしくみの最終段階であるプロトンポンプに、結合することで、その働きを直接抑え、胃酸の分泌を抑制します。

 

逆流性食道炎の症状と生活習慣の見直し

主な症状は胸焼け/呑酸

逆流性食道炎は胸焼けや呑酸などの代表的な症状以外にも様々な症状を引き起こします。
胃酸の逆流による刺激症状で咳き込んだり、長引く咳に悩まされるなど多様です。
それらの症状で食べたいものが食べられない、夜ぐっすり眠れない、気分がさえないなど仕事や日常生活にも支障をきたすことがあります。
同様の症状でお悩みの方はどうぞご相談ください。

逆流食道炎は再発することがあります。

眠るときは、腹部から上を高くする
前かがみの姿勢を避け、背筋を伸ばす
おなかを締め付けないようにする
過度にアルコールや炭酸をとらない
食事は腹八分目に
よく噛んで食べる

再発防止のため、生活習慣の見直しをすることも大切です。